RAGE

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長きに亘ってバンドを支えたヴィクター・スモールスキとアンドレ・ヒルガースが2015年に脱退し、ピーヴィー・ワグナー(vo, b)、マルコス・ロドリゲス(g, vo)、ヴァシリオス“ラッキー”マニアトプロス(ds, vo)という新体制となったレイジ。1984年にドイツでピーヴィーが中心となってアヴェンジャーという名前で結成されたこのバンドは、1枚のアルバムをリリースした後にレイジと改名し、アルバム『レイン・オブ・フィアー』(1986年)でデビューを果たす。1988年からピーヴィー、マンニ・シュミット、クリス・エフティミアディスのトリオとなった彼らは、『トラップト!』(1992年)や『ザ・ミッシング・リンク』(1993年)といった名作を残し、人気バンドとなる(このメンバーで2014年にこの3人でリフュージを結成し、2016年2月には来日公演も実施した)。1994年にマンニが脱退した後、バンドはツイン・ギターの4人編成となるが、1999年にヴィクターが加わり、再びトリオとなると、緻密でテクニカルな要素や、クラシック音楽のエッセンス交えるなど、バンドも大きく進化を遂げる。しかし、2015年にヴィクターと2007年から参加していたアンドレが脱退し、バンドは2015年に新体制でスタートを切ったのだった。

 今回新たにバンドに加わったギターのマルコスは、レイジの30周年記念ツアーのサポート・アクトとしてプレイしたサウンドチェイサーというバンドのメンバーで、元々熱狂的なレイジ・ファンだったという。ドラムのラッキーは、レイジの前ドラマーでリフュージのメンバーのクリス・エフティミアディスのドラムの生徒であり、ドラム・テクもやっていたという人物で、トライ・ステイト・コーナーというバンドではリード・シンガーを務めていたことでも知られる。

こうしたフレッシュなメンバーを迎え入れた新生レイジの第1弾作品となった最新作の『ザ・デヴィル・ストライクス・アゲイン』は、躍動感に溢れたパワー・メタルを展開しており、レイジらしいメロディックな側面も充実。ヴィクターが抜けた分、緻密な要素は減ったが、その代わり、攻撃性が増しており、エキサイティングなアルバムに仕上がったという印象だ。マルコスのメロディアスなギター・ソロもバンドに新たな息吹をもたらしており、ライヴが楽しみになるような作品が完成したと言える。


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